こんにちは、ロストマン(@the_lost_man77)です。
今回は世界遺産に登録されている知床半島に行って日本百名山の羅臼岳に登ってきました。
ここは世界で最もヒグマが密集している地域なので遭遇する確率がかなり高いです。というか実際に出会ってしまいました。
それでも山頂から見えるオホーツク海はもちろん、北方領土や知床半島の山並みを見渡せる景色は壮大で美しいので登っていて達成感のある山でした。
羅臼岳とは
羅臼岳(らうすだけ)は、北海道・知床半島にある火山群の主峰及び最高峰で標高1,661m。古くはアイヌ語でチャチャヌプリ、また良牛岳と記されたこともある。1964年(昭和39年)6月1日に知床国立公園に指定され、2005年7月にこの山域を含む知床半島が知床 (世界遺産)に正式登録された。日本百名山、花の百名山及び新・花の百名山に選定されている山である。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
登山コース
岩尾別温泉コース
岩尾別温泉から山頂を目指すコースで登山道が整備されており、トイレブースもあります。危険個所も少なく、日帰りできる初心者向けのコースです。
岩尾別温泉(110分)→弥三吉水(60分)→銀冷水(65分)→羅臼平(60分)→羅臼岳(45分)→羅臼平(50分)→銀冷水(40分)→弥三吉水(70分)→岩尾別温泉
YAMAPから登山コースの地図をアプリにインストールしておきましょう。
登山時期
登山前日
前日は知床国立公園羅臼温泉野営場でキャンプ。
なんと2年前に日本一周していた時にここで一緒に食事をした関東在住の旅行好きのご夫婦と運命的な再開をしました。
しかし、一緒に登山するパーティがウトロの国設知床野営場に宿泊予定だったのでそちらに移動することになり、積もる話をあったのですが止む無くお別れ。
因みにユネスコの世界自然遺産に選ばれているくらいなので、キャンプ場に普通に鹿が出ます。
本州の鹿より一回り大きいですよ。
登山開始
AM3:44 次の日は車で今回登る岩尾別温泉コースの登山口がある岩尾別温泉まで来ました。
施設のその脇道を通ると木下小屋があり、ここから羅臼岳山頂目指して出発します。
ヒグマは怖いですがパーティが四人なので「何かあっても心強く安心して登ることができる」そう思っていたのですが…。
AM4:54 弥三吉水に到着です。
貴重な給水ポイントですが北海道の生水はエキノコックスがいるので注意しましょう。
ここまではひたすら急登な森の中を歩いてきましたが、4人パーティの中に消防士の方がいましてペースが鬼のように早いので僕達3人はついて行くのがやっと。
ウコンウツギ
AM5:12 4人それぞれのペースが全く合わず、いつの間にか各々で山頂を目指すことになってしまいました。
草木が生い茂り、人間の鼻でも分かるくらい獣臭さが時折してくるので、いつ熊が出てくるかビクビクしながら進んでいます。
AM5:26 仙人坂に到着。
山頂まで残り3kmまでといったところです。
標高はそこまで高くはないですが、北海道の端っこに位置する知床では夏でも残雪があります。
AM5:42 銀冷水に到着。
ここも給水できるポイントで、めっちゃ水が綺麗です。
給水ポイントにトイレブースが設置してあるので休憩には最適な場所です。
先を進んで行くとピンクテープを見失い、残雪がある場所に足跡があったので進んでみましたが、行き止まり。
来た道を引き返してピンクテープを発見。道迷いには要注意ですね。
AM6:00 大沢入口に到着。残り2km、頂上まで半分切りました。
エゾコザクラ
大きい岩を手でつかみながらよじ登っていきます。
エゾノツガザクラ
チングルマ
後ろを振り向くとオホーツク海の絶景が広がっています。
岩場を登っている最中、またまた強烈な獣臭がしてくるので休憩せずにとっとと登ります。
AM6:51 羅臼平に到着。
周りがハイマツに囲まれた見晴らしの良い場所にでます。
ここはテント場として利用することもでき、食料を入れるフードロッカーがあります。
ここでテン泊する場合はフードロッカーに入れないとヒグマが食料の臭いでテントを襲ってくるので必ず入れましょう。
というか世界有数の熊密集地でテントを張る人がいるというのが凄いですね。
肝試し過ぎる。
ここまで来れば羅臼岳は山頂は目の前です。
山頂付近は岩がゴロゴロと積み重なっているんですね。
キバナシャクナゲ
AM6:53 岩清水に到着。
岩から水がポタポタ落ちている程度で頑張れば給水できそうな感じです。
山頂付近には残雪量が多い場所もあり、傾斜もあるので今まで以上に気を付けて登ります。
普通の登山靴なので一歩一歩足場を作りながらゆっくりと慎重に。
最後は積みあがった大きな安山岩を登っていくことになります。
岩のペイントが分かりづらくて何回か道迷いしてしまいましたが、何とかルートを見つけ出すことができました。
そして先行していた消防士の方がもう羅臼岳の山頂に行って戻ってきて、これから日帰りで知床連山縦走しに行くようで、本物の体力お化けだな~と思いながら見送ります。
羅臼岳山頂
AM7:49 羅臼岳山頂に到着。
知床半島を上から一望するとその壮大さと美しさに目を奪われます。
ただ風がものすごく強く、そして寒いので15分程しかいられず。
体力お化けの方が挑戦する知床連山縦走はあの奥に見える山々の遥か彼方まで登っていくのですけど、これも見たらとてもじゃないけど今の自分では体力的にも精神的にも無理だと感じました。
ラッキーなことに北方領土が見えました。
ここが世界遺産に選ばれるのも納得の景色です。
ミネズオウ
この世界自然遺産の景色をまだまだ見ていたいのだけれども、割と体力を消耗していたので名残惜しいですが下山。
その途中、ハイマツの隙間からシマリスをこの目で見ることができました。
ちょろちょろと動き回るので、見れたのはほんの一瞬でしたが感動してテンションも上がりまくり。
羅臼平と大沢入口の間の岩だらけの急登を下っていた時についにヒグマに出会ってしまいました。
幸い登山道とは反対側の崖で草を食べていたので少し様子を見ていたらこちらに気づいて逃げて行ってくれました。
気分はもう下山モードで「帰る」しか頭になかったので、まさか野生の熊が見れるとは思いもしませんでしたね。
遠目ならヒグマはそれ程恐い感じがしないです。あくまで遠目ならなので。
木に木が飲み込まれている面白いものも見れました。
何とか足がふらふらになりながらも12時前には下山できました。
この後消防士の方は無事に日帰り知床連山縦走を成功させて15時半過ぎに下山してきました。滅茶苦茶な人だけど実力があるからやっぱり凄いな~と思います。
この後AM11:54に無事下山できました。下山完了の写真はうっかり忘れてしまいました。
注意点
- 世界有数のヒグマ密集地なので遭遇率が高いので熊鈴や熊スプレーを携帯しましょう。
- 山頂付近は巨大な安山岩を登っていくことになり、大きな隙間が沢山あるので足を踏み外さないようにしましょう。
- テント泊する際には食べ物は絶対にフードロッカーに入れましょう。
- ヒグマに餌を絶対にやってはいけません。人を恐れなくなり、襲うようになります。
- 夏場でも残雪があるのでアイゼンがあるといいでしょう。
羅臼岳の周辺施設
最後に
世界遺産の知床は広大な自然とそこに住む動物達を実際に登山することで自分の目や耳、臭いや肌でその素晴らしさを感じることができました。
ヒグマには合わないに越したことはないが一度見ておいた方が今後ばったり出会ってしまった時に冷静な行動ができると思います。