こんにちは、ロストマン(@the_lost_man77)です。
夏の蒸し暑さが終わり、夜風の涼しい秋の季節がやってきました。しかし、この時期よくニュースで耳にするのが熊の大量出没ではないでしょうか。
近年の気候変動による木の実の不作により人里に降りてきては出会い頭に襲われるケースが後を絶ちません。また山菜取りや登山、キャンプなどにおいても人間が熊のテリトリーに入り襲われたという報告も毎年のように発生しています。
では私たちはもし熊に出会ってしまったらどのように対策をして身を守ればよいのでしょうか。
日本に生息している熊の種類と分布
日本国内には北海道に生息するヒグマと、本州以南に生息するツキノワグマの2種類のクマがいます。環境省の調査によると、北海道の約55%の地域はヒグマが、本州の約45%の地域にはツキノワグマが生息しています。このように分布で見ると日本のほとんどの地域が熊の生息地となっていることが分かります。
ヒグマの特徴
日本の北海道に住んでいる熊はエゾヒグマでヒグマの亜種です。日本の陸上動物では最大の大きさをしています。体長はオスが約1.9 – 2.3m、メスが約1.6 – 1.8m。体重はオス約120 – 250kg、メスが約150 – 160kg。最大で520㎏の個体が2007年にえりも町で確認されました。寿命は野生で約30年で、飼育下の寿命は30年以上です。
活動期間は春から晩秋・初冬にかけての期間で、平野部から高山帯に至るまで様々な地域で活動します。餌となる植物を得られない残雪(春)や降雪による積雪(晩秋・初冬)の多い地域よりも植物を採食できる地域に移動しています。越冬のために巣穴に籠る時期は晩秋から初冬にかけての時期で、出産は越冬期間中に行われます。
食性は雑食性で様々なものを摂取し、草類は約60種類、木の実が約40種類、樹脂も食べます。動物が約30種類です。
ツキノワグマの特徴
体長120 – 180センチメートル。尾長6 – 10.5センチメートル。体重オス50 – 120キログラム、メス40 – 70キログラム。最大体重173キログラム。肩が隆起せず、背の方が高くなり全身の毛衣は黒いが、赤褐色の個体もいます。胸部に三日月形やアルファベットの「V」字状の白い斑紋が入り(無い個体もいる)、和名の由来になっています。
本州及び四国の森林に生息し、九州では絶滅したとされています。夜行性で、昼間は樹洞や岩の割れ目、洞窟などで休むが果実がある時期は昼間に活動することもあります。夏季には標高2,000メートル以上の場所でも生活し、冬季になると標高の低い場所へ移動し冬眠します。食性は植物食傾向の強い雑食で、果実、芽、昆虫、魚、動物の死骸などを食べます。近年では猛禽類(イヌワシ)の雛や大型草食獣(ニホンカモシカやニホンジカ)などを捕獲して食べたりする様子が確認されています。寿命は野生で24年で、飼育下の寿命は約33年です。
国内の熊による事件
日本国内で起きた熊による被害が大きい殺傷事件の数々があります。
三毛別羆事件
1915年(大正4年)12月9日から12月14日にかけて、北海道苫前郡苫前村三毛別(現:苫前町三渓)六線沢で発生した、クマの獣害としては日本史上最悪の被害を出した事件。三毛別事件や六線沢熊害事件(ろくせんさわゆうがいじけん)、苫前羆事件(とままえひぐまじけん)、苫前三毛別事件(とままえさんけべつじけん)とも呼ばれる。
エゾヒグマが数度にわたり民家を襲い、開拓民7名が死亡、3名が重傷を負った。事件を受けて討伐隊が組織され、問題の熊が射殺されたことで事態は終息した。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件
1970年(昭和45年)7月に北海道静内郡静内町(現・日高郡新ひだか町静内高見)の日高山脈カムイエクウチカウシ山で発生した獣害事件。
若い雌のヒグマが登山中の福岡大学ワンダーフォーゲル同好会(のちにワンダーフォーゲル部へ昇格)会員を襲撃し、3名の死者を出した。福岡大学ワンダーフォーゲル同好会ヒグマ襲撃事件、福岡大学ワンゲル部員日高山系遭難事件とも呼ばれる。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
秋田八幡平クマ牧場事件
2012年4月20日に、秋田県鹿角市にある八幡平クマ牧場から、当時飼育されていたヒグマ6頭が脱走し、2名の飼育員が死亡した事件である。牧場の経営者らによるクマの飼育や管理などが不十分であったとして、刑事責任が問われた事件でもある。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
十和利山熊襲撃事件
2016年 (平成28年) 5月から6月にかけて、秋田県鹿角市十和田大湯(とわだおおゆ)の十和利山山麓で発生した。ツキノワグマがタケノコ採りや山菜採りに来ていた人を襲撃し合わせて4人が死亡、4人が重軽傷を負ったほか、5人がクマを撃退して無傷であった。日本では記録に残るものでは史上3番目の被害を出した獣害事件と言われているほか、本州においてはやはり記録に残るものでは最悪と言える獣害事件である。被害者を襲ったクマや食害したクマを複数確認しており、クマによる襲撃事件では稀なケースである。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
熊を人のテリトリーに入れない為には
熊はとても賢い動物で人間の所有している食べ物や捨てた食べ物が民家や町で簡単に手に入ることを知れば、山で探すよりも楽だと学習してしまいます。しかも人間が熊よりも弱い生き物だと知れば、積極的に襲って食べ物を奪ったり、最悪殺されてしまう可能性があります。
熊を寄せ付けない為には食べ物やごみを家の中に入れておくか家の周りに目に見えたり、臭いの出ないように工夫して捨てることです。
熊に遭遇した時には
正しい対応
一番大事なことは熊の目撃が多い場所には行かないことです。熊の糞や足跡、獣の匂い、小熊を見つけたら近くに母熊が必ずいるので引き返すことが大事です。
熊は臆病な動物なので人間の気配がしたら熊の方から逃げて行ってくれますが、襲われるケースはお互いが気づかずに出合い頭に遭遇してしまった時になるそうです。ですからまずは自分の位置を熊に知らせるという意味で時々大きな声を出したり、熊鈴やホイッスルを鳴らす必要があります。常に音を出し続けているラジオは自分が熊の存在に気づかないことになるのであまりよくないです。
それでももし出会ってしまったら、熊との距離がある場合は視線をそらさずにゆっくり後ずさりしながら熊スプレーをいつでも発射できるように構え、熊が逃げるか追って来れない程の距離、または視界から消えるまでその状態を続けた方が良いです。
出会い頭になってしまったら、騒がずにゆっくり後ずさりしながら熊スプレーを構えます。そのような余裕がなく襲ってきたら、熊スプレーを発射します。できれば約10mのスプレーが有効的な距離で発射できれば良いです。また大声をあげたり、棒を地面に叩いて威嚇するか、腹をくくって戦うしかないです。熊の皮膚は硬いので人間のパンチやキックではびくとしないので目を突くのが一番の有効打になり、それで助かったケースがあります。
しかし、目を突くことが不可能となってしまった時、うつ伏せで手で急所となる首をガードしながら助けを呼ぶことです。
間違った対応
よく「熊に出会ったら死んだふり」、という言葉を昔よく耳にしたと思いますが熊は雑食で動物の死肉も食べるのでこの行動は寧ろ危険な行為になります。
また遭遇した時にいきなり大声を出したりすると、熊が興奮してしまい襲ってくる可能性があります。
直ぐに背中を向けて走って逃げたくもなりますが、熊は逃げるものを追いかける習性があるので落ち着いて後ずさりをして様子を見ましょう。
熊から身を守るアイテム
熊鈴
あらかじめ熊に自分の位置を知らせて、熊の方から逃げてもらうように鈴を鳴らしましょう。登山をしていると熊鈴を持っていない人が割と多い気がしました。
ホイッスル
こちらも鈴同様に熊に自分の位置を知らせて、熊の方から逃げてもらうように定期的に笛を吹くようにしましょう。
熊スプレー
こちらは最悪の場合を想定した時の最後の手段として必ず携帯しておきたい熊スプレー。非常に強い刺激物成分(カプサイシン2.0%含有)で、9~10メートルの飛距離で身を守ることができます。
最後に
毎年全国で熊の出没や被害を受けたというニュースが後を絶たない世の中になってきました。
登山だけでなくキャンプや身近な場所にも出てくるようになったのは昔と違って山を管理する人や気候変動による生態系が大きく変わってきたからではないのでしょうか。
登山では人間が熊のテリトリーにお邪魔することになるので、お互い傷つけずに正しい行動をとって共存できる社会になって行って欲しいですね。