日本のキャンプブームはいつから起きた?その歴史と流行った理由を解説

キャンプ

近年のキャンプブームであなたの周りでもキャンプを楽しんでいる方が増えたかと思いますが、そのブームはいつからかご存知でしょうか。

日本には「第一次キャンプブーム」と「第二次キャンプブーム」という2つのブームがキャンプ業界を大いに盛り上げるきっかけを作りました。

今回は日本のキャンプブームはいつから起きたのか、その歴史と流行った理由を解説していきます。

因みにキャンプブームが終了⁈逆に今始めた方が良い理由の記事はこちら⇩

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キャンプはアメリカ発祥

公益社団法人日本キャンプ協会によると「キャンプ(野外教育という概念)」は、アメリカ発祥とされていて1861年に遡るとのこと。

この当時はアメリカは南北戦争時代で、とある学校でテントや地面に直接寝たりする兵士達の姿に憧れた生徒達を校長先生が連れだして野営生活をしたのが始まりとされています。

1885年には現在の基本となる専門家指導者による「組織キャンプ」が行われるようになり、1910年には「キャンプファイアーガールズ」という団体を設立するなど、人々のキャンプ活動が全米中に普及するようになっていきました。

また、ヨーロッパでは1890年代以降に各地で行われるようになりました。

日本におけるキャンプの普及

日本にキャンプが入って来たのは、明治時代に西洋文化を取り入れる一環としてキャンプが紹介されたのがきっかけです。

また、日本の組織キャンプは20世紀の初頭から、民間の青少年団体により推進されたボーイスカウト、ガールスカウト、YMCA、YWCAなどが中心に活動を行ってきました。

1894年(明治27年)には志賀重昂氏による『日本風景論』の書籍中にある、「登山の氣風を興作すべし」とする「山中に露宿する方法及び注意、山中の茵褥、露宿の際の着衣」の図解を、読んで実践する者が急増したと言います。

1907年(明治40年)には、学習院の院長である乃木希典氏によって夏期の遊泳演習にキャンプを取り入れ、3週間の期間に160人の学生とキャンプ生活を行います。

1916(大正5年)年には、琵琶湖畔の雄松岬でボーイスカウト(京都少年義勇団)の13人がキャンプをしたとされ、現在「日本ボーイスカウト初野営の地」の記念碑が建てられています。

1922年(大正11年)には、YMCAが日光の中禅寺湖畔で中等学生のための組織キャンプを行われました。

1945年(昭和20年)の第二次世界大戦が終結すると学校キャンプが盛んになり、民間団体や行政組織によるキャンプ推進も盛んに行われます。

1965年(昭和40年)には日本キャンプ協会が設立されキャンプに関する啓蒙活動を行うようになり、以降全国的にもキャンプの普及が著しくなっていきました。

第一次キャンプブーム(1990年代前半~1990年代後半)

日本に「キャンプ」が取り入れられて1990年代になると「第一次キャンプブーム」を迎えます。

これまでそのほとんどが青少年の野外教育としての一環で行われていましたが、第一次キャンプブームでは、キャンプが娯楽や趣味としての側面が強くなり、週末に家族と車でキャンプ場に行くことが流行り出したのです。

その頃には海外大手アウトドアブランド「コールマン」が日本に本格参入し、欧米式のキャンプスタイルが主流となり、高規格のオートキャンプ場の建設やレジャー用のRV車が続々と生産され、最盛期のキャンプ人口は1580万人、キャンプ用品市場は760億円に達したと言われています。

他にもアウトドア雑誌や書籍が数多く出版、テレビやインターネットのメディアでも大々的に紹介されたり、専門店でしか取り扱いがされていなかったキャンプ道具がスーパーやホームセンター等で手軽に購入できるようになりました。

ここまでブームが盛り上がった要因は、バブル経済の影響に関係しています。お金に余裕がある家庭が増えたことによりキャンプ用品や車を当たり前に持てたことや、週休二日制の導入で時間にも余裕が持てるようになったからだと考えらています。

しかし、第一次キャンプブームは1990年代後半になると次第に衰退していきます。その要因は携帯電話、インターネット、ゲーム、漫画、テレビ、音楽、スポーツなど、より手軽に楽しめる娯楽が増え多様化が進んだことです。そしてキャンプ人口は徐々に減少していきました。

第二次キャンプブーム(2013~2021年)

第一次キャンプブームから約13年以上が経過すると次に「第二次キャンプブーム」を迎えます。日本オートキャンプ協会によると、2013年からキャンプ人口が増加傾向にあったそうです。

ブームの要因は、第一次キャンプブームの時に親と一緒にキャンプを体験した子供が大人になって再びキャンプを始めたことで、1990年代前半~1990年代後半の当時の子供は年齢的に20代~30代前半になり、お金を稼いでキャンプ道具を買い揃えられる年齢になったこと。

他にもSNSが発展したことにより、キャンプ道具、料理、景色のオシャレな映える写真を手軽に投稿できたり、キャンプを題材にした漫画やアニメ、テレビドラマ、YouTubeなどのメディアが多く参入したことにより、インドア派や女性で興味を持つ人が増えていったこと。

さらに昔に比べて自然災害の頻度が多くなり、有事の際にインフラのない生活を余儀なくされたり、命を助けるアウトドア用品が必要になったことや、コロナ過で外で人に接触せずに楽しめる娯楽としてキャンプが注目されたからだと考えられています。

このブームの影響で、小規模の会社や個人でのインディーズのブランドやキャンプ場を立ち上げる所が増え、新たなキャンプスタイル「グランピング」の確立、100均でもアウトドア用品を取り扱うようになったことにより、市場は新規参入者で溢れて競争がより激しさを増しました。ただ、ユーザーは安くて性能もそこそこ良い道具を買えて、今まで敷居が高かったとされるキャンプが初心者でも始めやすくなりました。

第二次キャンプブームをこれほどまでに大きくしたと考えられるコンテンツが、キャンプYouTuberのお笑い芸人「ヒロシ」さんと、漫画・アニメでは「ヤマノススメ」「ゆるキャン△」が活躍したことによります。

ヤマノススメ

第二次キャンプブームでは、2013年からアニメが放映された「ヤマノススメ」の影響があります。これまでキャンプや登山といったアウトドアに焦点を当てたゆるふわ系のアニメがなかったことから、アニメ好きのインドアの人が興味を持って参加し始めたのも丁度この時期になります。

ファンがこぞって聖地巡礼を兼ねた登山をしたり、主人公たちが使うキャンプ道具を真似て購入したりとその人気ぶりはすさまじく、舞台となった飯能市では町おこしにするほどになりました。

あらすじはインドア趣味で高所恐怖症の「あおい」と、山大好きで常に周りを振り回す「ひなた」の幼馴染の二人が、幼いころ一緒に見た山頂の朝日をもう一度見る為に登山に挑戦するというものです。

登山初心者の主人公のあおいが徐々にレベルを上げていく成長過程が、登山の楽しさと苦しさも交えた内容となっていますので、登山を全く知らない人でも楽しめます。

こちらはAmazon Prime Videoなどで視聴することができます⇩

ヒロシさん

出典:ヒロシちゃんねる

2004年に「ヒロシです…。」の自虐ネタフレーズでテレビで人気を博した芸人のヒロシさんは、2015年からYouTubeにソロキャンプをする動画を投稿していたのがきっかけにそれが大ブレイクします。(2023年8月現在チャンネル登録者数114万人)

ここから「ソロキャンプ」というキャンプスタイルが認知されはじめ、皆で集まってキャンプをするけれど、各々でキャンプ道具を揃えて食事、就寝など自由に過ごす「ソログルキャン」という独自の派生スタイルも流行りました。

今ではYouTubeだけでなく、キャンプ関連のオリジナルグッズや書籍の販売、またドラマやCM出演など数多く活躍されています。

ヒロシさんのYouTubeチャンネルはこちら「ヒロシちゃんねる

ゆるキャン△

「ヤマノススメ」に続いてゆるふわ系の日常キャンプアニメとして登場したのが「ゆるキャン△」です。

2015年に漫画の連載が始まり、2018年からアニメの放送が開始されると瞬く間にその人気が過熱し、モデルとなった実在するキャンプ場や観光地などの聖地巡礼者で溢れ、主人公たちが使っていたキャンプ道具も品切れ続出、ゆるキャン△とコラボしたグッズが多数販売、実写ドラマ化がされるなどの超巨大コンテンツとして多くの人に影響を与えた作品となりました。

あらすじは静岡から山梨に引っ越してきた女子高校生「なでしこ」が、富士山を見るために自転車を走らせて本栖湖まで行ったが、ベンチで休憩してたら眠ってしまい、夜の山奥で偶然1人キャンプをしていた女子高生の「リン」と一緒にキャンプをするというもの。

そこから学校でキャンプ仲間が増えていき、みんなでワイワイ遊ぶキャンプが好きななでしこと、一人静かなソロキャンプが好きリンの全く異なるキャンプスタイルで、それぞれが女の子らしいゆるいキャンプをしていきます。

こちらはAmazon Prime Videoなどで視聴することができます⇩

2020年以降はキャンプブームは一旦落ち着いた(下火)

出典:繊研新聞

第二次キャンプブームは、キャンプ人口やキャンプ市場を大きくするきっかけとなりました。

ただ2020年以降はキャンプ人口は減少傾向、逆にキャンプ用品市場は以前増加傾向にあることが日本オートキャンプ協会のデータから明らかになり、キャンプ人口だけで見れば第二次キャンプブームは一旦落ち着いたと思っていいでしょう。

爆発的な人気があった故にいつかはバブルが弾ける時が来るので、それが今なのかもしれません。

最後に

日本には「第一次キャンプブーム」と「第二次キャンプブーム」という2つのブームがキャンプ業界の発展に大きな影響を与えてきました。

今現在は一旦ブームが落ち着いてしまいましたが、何かのきっかけによって再びブームが始まり、古いものや新しいものが入って来てリノベーションが起こることに期待したいと思います。

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