こんにちは、ロストマン(@the_lost_man77)です。
岩手県の最高峰である2,038mの岩手山は南部片富士と呼ばれ、ほぼ独立峰に近い山です。
同じ日本百名山の八幡平からも距離が近く、その美しい山の姿を望むことができるので次の日に訪れたりと合わせて楽しめました。
登山道は整備され、ルートも分かりやすいので体力があれば初心者でも簡単に登れますし、何と言っても山頂付近のお鉢巡りは岩手の平野が望めるほど景色が良く圧巻です。
今回は岩手山の山行レポートを書いたのでよければ参考にしてみて下さいね。
時期:2019年10月14日曇り
場所:岩手県八幡平市松尾寄木
登山スタイル:日帰りピストン
パーティ:単独
登山タイム:6時間21分
登山コース:岩手山馬返しコース
岩手山とは
岩手山(いわてさん)は日本の東北地方、奥羽山脈北部にあり二つの外輪山からなる標高2,038mの成層火山。岩手県の最高峰であり、県のシンボルの一つとされている。日本百名山に選定されている。岩手県八幡平市、滝沢市、雫石町にまたがる。西に姥倉山、大松倉山が続くものの、奥羽山脈の主稜からは離れており、独立峰に近い。東の盛岡側から見る姿は富士山のように長い裾野を引く整った形で、「表岩手」と呼ばれる。南の雫石町や北の八幡平市松尾方面から見ると、外輪山の連なりが凹凸をなし、「裏岩手」と呼ばれる。山域は、1956年(昭和31年)に十和田八幡平国立公園に指定された。山頂には一等三角点『岩手山』(重点整備点)が設置されている。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
登山コース
馬返し登山コース(柳沢コース)
滝沢市の馬返し(標高633メートル)を登山口とする柳沢コースは、古くから信仰登山の表参道として使われた岩手山の代表的なコースです。途中、灌木帯を登る新道と展望の良い露岩帯を登る旧道とを選ぶことができます。8合目では御成清水と呼ばれる水場で水分補給することができ、また管理人が常駐(夏期)する避難小屋を利用できます。
出典:十和田八幡平国立公園
歩みを進めるごとに遠く盛岡の市街や北上山地など、展望が開けて行くのが楽しい登山道です。
総距離 | コースタイム | 累積標高差 | 日程 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
11km | 上り4時間25分+下り3時間15分 | 1482m | 日帰り | 中級 |
焼走り登山コース
柳沢コースと並んで人気の焼走りコースはその名のとおり、焼走り熔岩流に登山口を持つコースです。コース上にある2つの噴火口跡からの眺望はすばらしく、熔岩流の全容や東東北を一望することができます。
出典:十和田八幡平国立公園
樹林帯を抜けると、日本有数のコマクサ群落が現れます。6月下旬が見ごろで、この時期の登山は「コマクサのお花見」とも言われます。
また、登山口や8合目などからは、「南部富士」と称される岩手山の整った山容を見ることができます。
総距離 | コースタイム | 累積標高差 | 日程 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
13.4km | 上り5時間10分+下り3時間25分 | 1534m | 一泊二日 | 中級 |
上坊登山コース
上坊コースは岩手山麓の上坊神社付近に登山口を持ち、信仰登山の頃から登られているコースです。
出典:十和田八幡平国立公園
「ツルハシ分れ」と呼ばれる、焼走りコースとの合流地点まで眺望には恵まれませんが、鬱蒼としたコメツガやダケカンバは古く神奈備を思わせ、傍らに佇む祠は神域の気配を帯びます。
山頂までの最短・最急のコースですが、登山者が少なく静かで厳かな雰囲気の登山を楽しめます。
総距離 | コースタイム | 累積標高差 | 日程 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
9.6km | 上り4時間+下り3時間 | 1352m | 日帰り | 中級 |
七滝登山コース
県民の森を登山口とする七滝コースは、滝、火山獄谷、湿原や火口湖など、最も変化に富みます。
出典:十和田八幡平国立公園
落差20mを越える七滝は迫力があり、沢沿いに進む尾根道では水音涼しく歩みを進めることができます。蒸気吹き出す大地獄谷の急斜面には、岩手山が活火山であることを改めて思い知らされます。県民の森と七滝の間にあるミズナラの森や大地獄分岐の先などお花畑も多く点在します。
岩手山登山道の中でも長距離のコースとなりますが、その分見どころも多い登山道です。
総距離 | コースタイム | 累積標高差 | 日程 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
19.2km | 上り5時間50分+下り4時間30分 | 1592m | 日帰り | 中級 |
松川登山コース
松川コースは、松川温泉が登山口。姥倉山で網張コースと合流するまでは、急登が続く明瞭な一本道のコースです。
出典:十和田八幡平国立公園
ブナ林帯では、みごとな巨木と静寂の山林を堪能することができます。秋になれば、美しいブナの紅葉を楽しむことができるでしょう。姥倉山を過ぎれば眺望がひらけ、正面に岩手山が高々とそびえています。
八幡平から裏岩手にかけての眺望が素晴らしく、登りだけでなく下りも楽しいコースです。
総距離 | コースタイム | 累積標高差 | 日程 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
21km | 上り6時間10分+下り5時間30分 | 1822m | 一泊二日 | 上級 |
縄張登山コース
網張コースは網張スキー場を登山口とするコースです。標高1320メートルまでリフトを利用できることが特徴です。
出典:十和田八幡平国立公園
姥倉山付近や黒倉山頂上から岩手山への眺望は雄大で、巌々とした稜線を望むことができます。途中、荒々しい奇岩と抜群の眺望を持つ鬼ヶ城を経由するコースと、火口原のお花畑を経由するコースとの分岐があり、行き帰りで別々のコースを楽しむこともできます。
リフトの利用価値の大きいコースですが、往復で利用する際は運行日と運行時間に充分気をつける必要があります。
総距離 | コースタイム | 累積標高差 | 日程 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
20.6km(リフトなし) | 上り6時間5分+下り5時間30分 | 1951m | 一泊二日 | 上級 |
御神坂登山コース
御神坂コースは岩手山の南麓をほぼ直線に登る登山道で、急登が続く健脚向きのコースです。また、上坊コースと並んで信仰登山の旧参道であり、草履脱場(わらじぬぎば)や切接(きりはぎ)、笠締(かさじめ)など、信仰登山時代を思い起こさせる地点名が数多く残ります。
出典:十和田八幡平国立公園
大滝展望地からは、名前の元になった大滝(御滝)が細く清く流れる様や、盛岡市内や雫石盆地をはじめとした岩手山の南麓を眺めることができます。
総距離 | コースタイム | 累積標高差 | 日程 | 難易度 |
---|---|---|---|---|
12.4km | 上り4時間40分+下り3時間30分 | 1623m | 日帰り | 上級 |

登山時期

登山開始

AM7:32 岩手山馬返しコースの駐車場に到着です。

AM7:37 駐車場から5分程歩くと岩手山馬返しコース登山口に到着するのでこれから山頂目指して行きます。

登山口前に「鬼又清水」があるので給水や下山後の泥洗いに使えます。またキャンプ場やトイレが設けてあります。

この日は10月14日なので管理人の在駐期間内ギリギリだったので良かったです。避難小屋でオリジナル山バッジが販売しているのでそれが目当てなんです。

この看板は最早デフォですよね。

自衛隊の演習場にもなっているので登山道以外は進入禁止となっています。

整備がされているので少し急ですが歩きやすい道です。

AM8:00 0.5合目に到着です。ここで二手に分かれますが暫くすると合流して一本になるのでお好きな方で良いと思います。ちなみに僕は真っ直ぐの方向で進みました。

AM8:11 1合目に到着です。平らで広く、休憩用の木の椅子もあるのでここで少し熱いと思ったら上着を一枚脱いでおくのも良いかもしれないですね。


ガレ場を登る場面があるので滑らないように。

AM8:27 2.5合目に到着です。ここでも旧道と新道の二手に分かれます。僕はどちらのルートも楽しみたいので行きは旧道を選びました。

ごつごつした岩が増え、湿っているので滑らないようにここは一歩一歩慎重に行きます。

AM8:37 三合目に到着です。同じような急登が続きます。

AM8:49 四合目に到着です。岩が大きくなり、ガスが濃くなってきました。

道標がないのでとりあえず上を目指して行きました。

AM9:15 五合目に到着。岩登りになっています。

ついにはロープも出てきました。

綿毛になった何かの植物。

視界が悪く、進む目印もよくわからないので前を歩いているグループを見失わないように一緒に進みました。風も強くて寒いのでレインウェアで防寒対策をします。

AM9:56 大きな岩場のあるエリアを通過すると7合目になります。その後は急な場所が続くことはなく、木が風よけになってくれるので歩きやすい道となっていました。

AM10:03 八合目避難小屋に到着です。

AM10:09 避難小屋の近場に八合目の石がありました。その先が山頂へ続く道なのでこのまま休まずに進みます。

ガスっていますが山頂に着くころには晴れることを期待したいです。

ごろごろした砂利を凄い急な角度で登ります。トレッキングポールがないと安定しづらいです。

AM10:41 ようやく急登を終え、御鉢(外輪)に出ると見事にガスが晴れてくれました。凄い爆風で体が持っていかれそう勢いでフラフラします。


御鉢の周りにはお地蔵さまがずらーと列をなしている光景が続きます。
岩手山は全体の総称であり、その最も高いピークが奥に見える薬師岳なのでそこが山頂になります。
岩手山山頂

AM11:01 岩手山山頂(薬師岳)に到着です。もう爆風すぎて辛い。

一等三角点にタッチする儀式。

山頂は付近は大きな一つのすり鉢状ではなく、真ん中辺りが盛り上がった形をしています。これが薬師岳の次に高い妙高岳です。

雲が滝のように垂れ下がったなんとも不思議な光景。

岩手山山頂(薬師岳)からお鉢巡りをしていくと中央の妙高岳の麓に行けます。傍には「岩手山神社奥宮」のあり、無事に下山できるように参拝しておきました。

ここをまっすぐ進むとお鉢巡りの基点に戻れます。でも火口の中央を歩ける山は珍しいですね。

PM12:08 避難小屋に戻って来ましたのでしっかりと休憩を取りたいと思います。
ここにはトイレも水場もあるので凄く助かりますね。

中はストーブや防災道具が完備され、大人数が宿泊するスペースもあるので特に困ることはなさそうです。
夏季シーズン(6月中旬~10月中旬)まで管理人が駐在し毛布や軽食の提供がありますが、それ以外は無人となります。
使用したらゴミのない綺麗な状態にしておきましょう。ちなみにここで限定山バッジできました。

外に湧水がありますからしっかり給水しておきたいです。

帰りは新道ルートで使います。

美しく色づいた紅葉を見ながらゆっくり下山です。

急な場面は梯子があり下りやすくしてくれています。旧道よりは道迷いの心配はいらないし、木が防風代わりになっているので断然歩きやすかったです。

地元の方が道具を使ってこのように裂けた木の手入れをしている場面に遭遇し、多くの人が僕達登山者が不自由なく登れるように頑張ってくれているんだなと改めて感謝ですね。

PM13:31 新道と旧道の分岐点まで下りてきました。

PM13:58 下山完了です。熊でなくて良かった~。
注意点
- 八合目避難小屋は夏季シーズン(6月中旬~10月中旬)まで管理人が駐在し毛布や軽食の提供がありますが、それ以外は無人となります。
- 熊が出るので熊スプレーを持っていきましょう。
- コースタイムが長いので日帰りなら朝早いうちには登山開始した方が良いでしょう。
岩手山の周辺施設
アクセス
馬返しコース
- 盛岡駅━(タクシー)━馬返
焼走りコース
- 盛岡駅━(タクシー)━焼走キャンプ場
御神坂コース
- 雫石駅━(タクシー)━御神坂駐車場
網張コース
- 雫石駅━(タクシー)━網張温泉
- 網張温泉━(リフト:休暇村 岩手網張温泉 第1リフト~第2リフト)━うさぎだいら━(リフト:休暇村 岩手網張温泉 第3リフト)━いぬくら
松川コース
- 盛岡駅━(バス:岩手県北バス)━松川温泉
七滝コース
- 盛岡駅━(バス:岩手県北バス)━県民の森
上坊コース
- 盛岡駅━(タクシー)━上坊コース
出典:日本百名山登山支援
最後に
今回は一番利用されている馬返しコースで登山することになりましたが、登山道がよく整備されておりとても快適に登ることができました。
また八合目避難小屋の宿泊やトイレ、水場、防災道具などが完備されているので安心して休憩がとれる場所でした。
山頂は爆風でしたが、その時だけ天気が晴れてくれたので山の神様のおかげかなと思っています。
次はロングなコースでお花を見たあと山小屋でゆっくり宿泊してみたいですね。
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