こんにちは、ロストマン(@the_lost_man77)です。
最近新しい趣味として登山を始めてみたい。だけどまず基本的な用語について知らないからどうしていいかわからない、中々始める一歩が踏み出せないって方がいるのではないでしょうか。
今回は登山で使われている用語についてまとめてみたので参考にしてみて下さい。
あ行
アーベントロート
登山用語で夕日が山肌や雲に当たり赤く染まること、または夕焼けのこと。朝焼けの場合はモルゲンロートという。
アイゼン
氷や雪道を歩くとき、靴底につける金属製の爪のこと。語源はドイツ語のSteigeisen(シュタイクアイゼン)の略。
赤旗
竹などのポールに赤または蛍光ピンクの布をつけて旗にしたもの。雪山のピストン山行などで、ホワイトアウト対策に用いる。水場や分岐などの目印にも用いる。白旗の逆。
足が棒になる
長時間歩いた時などに、非常に足が疲れて棒のように感じられる状態。
アックス
ピッケルに同じ。
アルバイト
登山において急登で労力を大量に消耗する時に使用される語彙。例:「○○山の登りはキツく、1時間のアルバイトを強いられた」。
アルファ米
日持ちするように特殊な加工を施された米飯食料。加工の二次的なメリットとして軽量化されているので 日持ち性とともに山行用の携行食料として重宝する。お湯だけでなく(時間はかかるが)水でもご飯に戻すことができる優れもの。
アルペングリューエン Alpenglühen
モルゲンロート(朝焼け)やアーベントロート(夕焼け)により山が赤く染まる現象。山頂光。
アンザイレン
登山者同士がクライミングロープで身体を結ぶこと。語源はドイツ語:Anseilen。
アンダーシート
テントの底面を、地面から受けるダメージや汚れから守るために、テントの下に敷くシート。
鞍部(あんぶ)
稜線上の凹地のこと。単に窪んだ部分を言う。コルとも。
イグルー
雪のブロックをドーム状に積んで作る積雪期の天場。
一本立てる
登山中に休憩を取ること。「この辺で一本取ろうよ」とか「一本入れよう」などと言う人が多いが、正しくは「一本立てる」と使う。
ウェストポーチ
腰に巻くベルトに小物を入れるための袋のようなものがついたもの。山小屋にリュックを置いて最小限度のものを入れ近くの山頂や湖に行く際に、また日帰りの登山やハイキングなどでも使われる。
右岸(うがん)
川の上流から下流側を見た際、右側の岸
浮き石(うきいし)
地面に固定されていない不安定な岩や石で、乗った際に転倒したり落石を引き起こす危険がある。
馬の背
尾根の両側が崖になっている痩せ尾根。
雲海(うんかい)
山頂などの高所から眺めた際に、下方が雲に覆われていて、あたかも雲の大海原のように見える光景。
エアリア
いわゆる登山地図のこと。『エアリア持って来たか?』『エアリア見てくれ』などと使う。
派生用例としては、登山地図に書かれているコースタイムのことを『エアリアタイム』又は『エアリアで何時間』などと言う。『エアリア』は”エアリアマップ”の略称で、本来は旺文社が発行する登山地図『山と高原地図』シリーズの旧ブランド名である。
また別称である『ヤマタカ』『ヤマコウ』とは、この『山と高原地図』を縮めて”山・高”としたものである。同シリーズが登山地図としてあまりにもメジャーになったことから、これらの俗称が、他の出版社のものも含めて登山地図一般を指す代名詞のように使われるようになった。
エスケープルート(escape route)
縦走登山で悪天などのトラブル発生時に、途中から下山するためのルート。また危険箇所を避けるために迂回路として利用されるルート。
エマージェンシート
アルミ素材のビバーク用の軽量シート。緊急時にくるまって使う。折り畳み時には小型軽量で常備用としても嵩張らず、良質の製品を正しく使えば、相当の防風、防水、保温効果が得られるので、登山やアウトドア以外でも、警察や消防の装備、企業や病院等の災害対策備品に至るまで、官民問わず幅広く活用されている。
尾根(おね)
山地の一番高い部分の連なりのこと。稜線(りょうせん)や山稜(さんりょう)とも。
オーバーハング(overhang)
傾斜角度が垂直以上の岩壁。踏破するにはロッククライミングの特別な装備と技術が必要であり、当然危険であるため、通常は登山ルートとしない。
か行
外輪山
火山活動によって発生した大きなすり鉢状の地形(カルデラ)の縁にあたる尾根の部分。
カットヘッド
意図的に、自らの技量・実力よりもワンランク下位の参加者で構成されるパーティに加わり、パーティ内でトップの位置を占めること。対義語に「カットベッキ」がある。
カラビナ
岩登り用具の1つ。ハーケンにかけ、ザイルを通すための金属製の輪。語源はドイツ語のKarabiner。
空身
山頂直下のコルなどに重い荷物をデポすることで、登頂に対する身体的な負荷を軽減する手段。
カール
氷河の浸食により山頂直下の斜面が、まるで巨大なスプーンででもえぐられたかのように窪んでいる地形。圏谷の別称。語源はドイツ語のKar。
ガス
霧の俗語。景色が悪くなるのみならず、位置や方向を見失う危険を伴う。
ガチャ
一つのギヤを指すのではなく、登攀具、特に、ハーケン・ボルト・カラビナ・エイト環などの制動器等、文字通りガチャガチャするもの全般を指す。
雷警報機(かみなりけいほうき)
雷(落雷危険域)が接近していることを感知し警報する装置。
ガレ、ガレ場(ガレば)
石や岩が堆積していて、歩きにくい斜面のこと。大きな岩が堆積した場所はゴーロと呼ばれる。
花崗岩
山脈を形成する火成岩(マグマが冷えて固まった岩石)の一種。高山帯においては、飛騨山脈(北アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)、南アルプスの甲斐駒山脈などに見られる。
火口湖
火山の爆発によって地表の土砂が吹き飛ばされると窪地が形成される。その窪地に水が溜まって出来た湖を火口湖と呼ぶ。おおむね湖の水質は強酸性であることが多い。
肩
山頂より少し下がった所にある平らな部分。
活火山
「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」の定義に当てはまる火山。
涸沢(からさわ)
水が干上ってしまった沢のこと。
観天望気
大空を観察して天候の推移を判断することです。「太陽や月に輪(暈)がかかると雨か曇り」などです。
気圧計
大気の圧力(気圧)を計測できる機器。山行中に、なぜ気圧を気にする必要があるかと言うと、お天気の変化を察知することができるから。例えば、標高(高度)を一定に保った状況で、気圧の変化が低下傾向であれば、低気圧の接近が考えられ、晴れていても悪天候に向かっていることを察知することができる。なお、前述のように、気圧は標高(高度)の上下でも変化するので、その点を考慮する必要がある。
気温計
気温を計測することができる機器。気温の情報を登山道の(凍結)状態の予測やレイヤリング(ウェアリング)などにフィードバックして、安全山行を図る。
奇岩(きがん)
珍しい形状・奇怪な形状をした岩石である。
キスリング
帆布製で横長の四角いザック。
本体両脇にサイドポケットがあり上部は細引きで留める。
容量が大きいが左右のバランスが取りにくくパッキングも熟練が必要とされる。かつては大学山岳部やワンゲルで使われた。
キジ撃ち
山中での用便のこと。藪などの物陰に潜んでじっとしている様子から。女性の場合はお花摘みともいう。環境保護の面から、トイレのない山域では携帯トイレの使用が推奨されている。
キックステップ
雪山歩行技術の一つ。つま先や踵を雪に蹴りこんで足場を作りながら歩行する方法。
休火山
「死火山」とともに現在は使われなくなった火山の種類(状態)を指し示す用語。
急登
標高差があり急傾斜が続く登山道のことです。「日本三大急登」と言えば、①北アルプス烏帽子岳のブナ立尾根、②南アルプス甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根、③谷川岳の西黒尾根となっています。
キレット、キレト、切戸
稜線がV字型に深く落ち込んでいる所のこと。「キレット」と表記されることが多いので、外国語だと思われがちだが、日本語である。穂高連峰の大キレットなどが有名。
クイックドロー
リードするクライマーが岩壁の途中にある(または作る)支点(ケミカルアンカー、グージョンボルト、RCCボルト、リングボルト、ハーケン、カム、ナッツ等)に架け、もし落ちてもそこで止まるようにする、スリングの両端にカラビナを掛けた道具。
クドレ
クドレとは『崩れている場所』という意味です。
鎖場(くさりば)
安全確保のために登山道上に鎖がつけられた場所のこと。鎖がないと通行が困難な場所であり、難所となる場合が多い。
熊鈴
クマをはじめとする山の動物に自分の存在を知らせるために鳴らす鈴またはベル。
クランポン
アイゼンに同じ。語源はフランス語のcrampon。
グリセード
氷雪の急斜面を下降するときに用いる登山技術の一つ。登山靴のかかとを使い,ピッケルのスピッツェ(石突)を身体の横後方の雪面につけてバランスをとり,かかとでスピードをコントロールしながら斜面を滑り降りることです。制動が利かなくなった場合にピッケルによる滑落停止が確実に行えることが必要です。
グローブ
冬場の防寒、夏場の滑り止め、および 外傷の予防のために装着するウェア。
クローブヒッチ
主にクライマーがピッチ途中でセルフビレイ(自己確保)をメインロープで取るためのロープワーク。
ケルン(cairn)
山頂などを示すために小石を円錐型に積んだもの。登山道にも見られ道標としても使われるが、必ずしも道標とは限らないので注意が必要。
渓谷、圏谷(けんこく)
氷河の侵食によってできた広いU字型の谷のこと。中央アルプスの千畳敷カールなどが有名。カールとも。
渓流
一般に、下流域に比較して水量は少なくなるが、傾斜が急なため流れが速くなる河川の上流域のこと。
下界
山中に比較して、海抜の低い所に有る人の多く住む街。
懸垂下降
ロープを支点に架け、下降器を使って降りる技術。
ゴーロ
大きな岩がごろごろと堆積した所のこと。黒部五郎岳や野口五郎岳など、このゴーロが語源となった山もある。
高度計
高度を計測できる機器。高度計によって得られる高度(標高/海抜)の情報は、地図上の等高線と照らし合わせることで、地図読みにおける現在地把握において有用な情報となる。山時計などに組み込まれている高度計は、通常気圧センサーで周囲の気圧を測定して、高度に換算する仕組みになっており、気圧に影響を与える”天気の変化”により誤差が生じるため、登山口や山頂など 高度(標高)が明確な場所での調整(合わせ込み)が必要となる。
高原
比較的標高が高く、連続した広い平坦面を持つ地形。
高山植物(こうざんしょくぶつ)
森林限界より高い高山帯に生えている植物のこと。
高層湿原
草原が広がっている湿地帯(湿原)の一形態。
合(ごう)、合目(ごうめ)
登山道の到達の目安を示す単位。原則として麓(0合目)から頂上(10合目)までを10合に分けるが、測量で距離や標高などを正確に等分するというよりは、長い年月をかけて登山者の感覚で習慣的に付けられたものであり、実際に歩いて登る際に要する時間がおおよその基準になっているため、険しい場所や坂の急な場所などでは1合の長さが短くなる傾向にある。1合を更に10に分けた勺が用いられることもあるが、勺の付かない位置の場合は「~合目」といい、勺が付く場合は「~合~勺」という。
コシッパ
『またぐ場所(小峠)』という意味です。
コッヘル、コッフェル
アルミニウムやステンレス製の登山用鍋のこと。最近はチタン製も多い。持ち手をたたむことができ、大きさの異なるものを重ね合わせられるようになっているため、複数の鍋をコンパクトに携行できる。語源はドイツ語のKocher。
コル
鞍部。尾根上のピークとピークの間の標高が低くなった箇所。語源は英語のcol。
ゴルジュ
両岸を急な岩壁に挟まれた細い谷のこと。廊下(ろうか)とも。
コンパス
方位磁石。地図と合わせて進む方向などの確認に使う。
さ行
最高峰(さいこうほう)
ある大陸・島や地方、国などで一番高い山に対する呼称。世界の最高峰はエベレスト山(8,848 m)、日本の最高峰は富士山の剣ヶ峰(3,776 m)である。七大陸最高峰はセブンサミットとも呼ばれている。各国の最高峰、各都道府県の最高峰[1]などがある。ザイル
登山用のロープ。語源はドイツ語のSeil。
ザイテングラート
山頂から横に張り出す岩尾根(岩壁の支尾根)のこと。
ザイル
登山の用途に用いるロープ。語源はドイツ語:Seil。岩登りや沢登りでの、墜落・滑落防止のための確保、懸垂下降、荷揚げ、救助、固定(フィックス)ロープやチロリアンブリッジなどのルート作りに使われる。ロープ単体だけでなく、カラビナや下降器などの登攀具と組み合わせることで目的の機能を構築できる。
左岸(さがん)
川の上流から下流側を見た際、左側の岸。
先ゴム
自然保護のため、木道や自然を傷付けるおそれがある場所で、ステッキ/ストックの先に装着してご使用するパーツ。山行中に紛失することがあるので、予備を携行することをお勧めします。ちなみに、石突(いしづき)とは、地面に突き立てる部材の呼称であり、ストックでは軸の先端部分を指す。
ザック
荷物を入れて背負うためのバッグ。リュックサック。語源はドイツ語のRucksack(ルックザック)より。
ザックカバー
雨天時にザックの中身が濡れないように、ザックにかぶせて使うカバー。最近は標準装備としてカバーを内蔵しているザックもある。
ザレ場(ザレば)
細かな石や砂が広がっている場所のこと。砂礫地。
サングラス
下界に比較して、山は紫外線が強くなります。
ですので、晴天時には紫外線から眼を守るために、サングラスの着用をお勧めします。
山座同定(さんざどうてい)
山頂など展望の良い地点から見える山を、地図と方位磁石を使用し、どの山かを特定すること。
三種の神器
登山靴、ザック、レインウェアをいう。
自在
テントの設置時に、張り綱などのコードの長さを変えて、テントにかかるテンションを調整する部品。
支尾根
より大きな尾根(主尾根)から派生している尾根のこと。登山道から外れる支尾根に引き込まれることで、道迷い遭難につながるので、尾根が別れるポイントにおける位置(方向)確認が重要である。
尻セード
雪の斜面(主に緩斜面)を下降する際に、お尻を斜面に着けたまま登山靴のかかとを使い、ピッケルを身体の横の雪面につけてバランスをとり、スピードをコントロールしながら斜面を滑り降りることです。
GPS
Global Positioning Systemの略, 全地球測位網のことですが、山ではハンディGPS機のことを指すことが多い。GARMIN ガーミンハンディーGPSが有名です。
勺(しゃく)
登山道の到達の目安を示す単位で、1合を10に分けた単位。主に富士山で用いられる。
縦走(じゅうそう)
山頂から次の山頂へ稜線伝いに歩く登山形態のこと。逆に1つの山頂のみを目指して登山することはピークハントという。
シュラフ
袋型の主に野外で使用される寝具。日本語で言う寝袋。語源はドイツ語のSchlafsackの略。
森林限界(しんりんげんかい)
高木が生育できなくなる高度のこと。高木限界(こうぼくげんかい)とも。亜高山帯から高山帯へ変わる地点でもあり、森林限界より上はハイマツなどの小低木が多くなる。日本アルプスで2500m前後、東北地方で約1600m、北海道では1000 – 1500mが森林限界となる。
スタッフバッグ
荷物の整理を目的として、ザックに入れて使う袋。用途上、軽量と防水性が求められる。
ストック、ステッキ
登山の際、体への負担を少なくしたり、バランスをとるために使用する杖のこと。ストックはドイツ語のシュトック(Stock)が訛ったもの、ステッキ(stick)は英語読みで同義であるが、日本語ではグリップがI字型のものをストック、T字型のものをステッキと呼ぶことが多い。また前者は1本ないし2本で使用し、後者は1本で使用する。
スノーシュー(Snowshoe)
雪面を歩く際に装着するアメリカで開発された歩行具。
スパッツ(spats)
登山靴に水や雪、砂が入らないように足首を覆うカバーのこと。足首だけを覆うものをショートスパッツ、足首から膝下まで覆うものをロングスパッツという。
スポーク
スプーン(Spoon)とフォーク(Fork)の機能を併せ持った食器。
スリーオクロック
アイゼンによる雪山歩行方法の1つ。片足を斜面に対して横にフラットフッティングで置き、もう片足をフロントポインティングで斜面方向に向けて歩く方法。
蛇紋岩
表面が擦れると鏡のような光沢が現れ、登山においては不意に足をのせると非常に滑りやすいので注意。
ジャンダルム
gens d’armes(フランス語)衛兵を意味する。穂高のジャンダルムが有名。西穂~奥穂間に衛兵の様にそそり立つ岩峰。
スノーブリッジ
谷を埋める氷河や雪渓の下を水が流れ、流れの部分から融雪が進み雪が谷にかかるアーチ状のブリッジとなる。
スリング
クライミング、沢登り、雪山ほか状況により一般登山でも頻繁に使われる輪になった耐久性のすぐれた紐。
スワッグ
いわゆるシュラフカバーだが、生地が丈夫で厚く、しっかりした防水(撥水ではない)が施されていることと、背中の部分にウレタンなどのクッション材が縫い込まれていることが特徴。シュラフを入れたまま畳むこともでき、突然の雨などでシュラフが濡れることを防げる。
整置
地図上の磁北とコンパスの示す北方向が一致するように地図を持つこと。
雪渓(せっけい)
雪や氷が夏になっても融けないで残っている谷のこと。雪が残っている平坦な場所は雪田(せつでん)や雪原(せつげん)と呼ばれる。
雪庇(せっぴ)
強風により稜線に張り出した雪の塊。ブロック雪崩を引き起こしたり、踏み抜いて滑落する危険がある。
セミ
岩場や滝などで安易に取り付いて、登るに登れず、降りるに降りられず進退窮まることを「セミになる」という。
ミーンミーンと泣きが入ることからか。
遭難(そうなん)
登山等の目的で山に入り、滑落などによる負傷、雪崩、道迷いなどで自力で帰還できなくなること。
双耳峰(そうじほう)
顕著なピークを2つもつ山。例として鹿島槍ヶ岳と池口岳の北峰と南峰。南アルプスの双児山と二児山。
遡行(そこう)
河川を遡ること。沢登りなどでよく用いられる。沢登りにおいて、目印や地形などの情報を示した図を遡行図という。
ソフトシェル
主に『防風/耐風』目的のために着用する生地の薄いシェルジャケット。生地が薄く軽量かつ小さく畳めるため、携行し易い特徴を持つ。特に強風下の尾根道歩きの時に着用すると有効である。
ソフトボトル
薄い素材で出来ていて、小さく丸めて収納することができるボトル。軽く携帯性に優れているため、テント泊山行での水の汲み置き用に便利。
た行
たがじょ
地下足袋の靴底にスパイクピンがついたもの。沢から日本アルプス縦走まで、用途は幅広い。濡れた木道にも強い。寒くなると用いにくい。爪を痛めることも多いが、圧倒的な軽さとコンパクトさが魅力。
高巻(たかまき)
沢登りの際、使う技術のひとつ。直登できそうもない滝や釜が出現したときに、左右の地形上の弱点を突いて巻き登る(巻き下る)こと。
ダブルヤッケ
ナイロン製で二重構造になった冬用のヤッケ。頭から被ると胸の辺りに大きなポケットがある。かつては青と赤くらいしかなく防水性は殆ど期待出来ないシロモノ。今風に言えば「ハードシェル」。
チェーンアイゼン
靴底の前後にチェーン(鎖)で結合された滑り止め(スパイク)を取り付けるタイプの軽アイゼン。構造的に登山靴の動きに影響を与えにくいので、装着しても歩き易い。
ツェルト
ビバーク時に用いる小型のテント。語源はドイツ語のZeltsack(ツェルトザック)の略。
池塘
湿原の泥炭層にできる池や沼のこと。
つぼ足
降り積もった新雪の上を歩く時など、アイゼンなどを使わずに足を踏み込んで壺状の足場を作りながら歩くこと。
チョックストーン
溝に挟まった岩や石。
チンネ
Zinne(ドイツ語)。岩壁中の一部尖った先端部を言う。日本では北アルプス剱岳のチンネが有名。
吊尾根
二つのピークの間で緩やかな弧を描く稜線のこと。
出合
複数の地形が合流する地点の呼称。例えば、二つの沢(谷、川)が合流する地点 など。南アルプスの”野呂川出合”など、そのまま地名になっている場合もある。
テーブルマウンテン
自然の侵食によって、山容がテーブルの様に見える山。
デエロ
デエロとは『平らな峰』という意味です。
デブリ
落ちて積もった岩、雪、氷などの塊。語源はフランス語のdébris。
デポ
「何々をデポする」と言った場合、荷物の一部又は全部を山小屋や登山ルートの途中に置いておくこと。荷物を軽くすることで、急峻なピークをピストンする場合などの体力的な負荷を軽減する(=安全性を高める)ことが目的。
テント
ポールと布で作られた簡易的な居住設備。登山ではできるだけ軽量であることが求められる。
テント場(テントば)、テン場(テンば)、天場(てんば)
テントを張る場所のこと。
登攀(とうはん)
登山において、険しい岩壁などをよじ登ること。いわゆるクライミングのこと。
トカゲ
岩の上などで、日向ぼっこをしたり、寝そべったりして過ごすこと。
独標
「独立標高点」の略です。それに対して、連続した標高点は「等高線」といいます。「等高線」は線ですが、「独標」は点で表します。
特急
自分たちのパーティよりも速いペースで登って(または下って)こられる方を先に通してあげるため、パーティの最後列(通常最後列はリーダーが多い)の方が、前列や最前列の方に「とっきゅー!!」と知らせて道をあけてあげるときに使う言葉。
登山(とざん)
娯楽、スポーツ、職業、信仰などの目的で山に登ること。
登山計画書(とざんけいかくしょ)、登山届
入山届に同じ。
登山道
山に登るための歩行路・道。
渡渉(としょう)
水流を徒歩で対岸まで渡ること。
トラバース
斜面や岩壁を横(水平方向)に移動すること。「『百科事典マイペディア』電子辞書版」には「微妙なバランスが必要で、特にテラス(岩棚)のない岩壁などでは危険」との記述がある。
ドリーネ
石灰岩・ドロマイト地域で地下に空洞が発達し表層が崩落して生ずる陥没孔。語源はスロベニア語:doline。
トレッキング
登山と厳密に区別できないが、山の中を歩くことを目的としており必ずしも山頂を目指すわけではない。
な行
ナイフリッジ
両側が切れ落ちた急峻な尾根のこと。通過には危険を伴うことが多い。
鉈目(なため)
樹林帯や藪などでルートを示すため樹木に、鉈で切り込みを入れた目印。沢登りの詰めで地獄のような藪漕ぎの中、鉈目を発見したときの嬉しさに勝るものは無い。
滑滝
岩肌を滑るように水が流れ落ちる形態の滝。
偽ピーク
山頂とされている地点の手前にあるまぎらわしいピークのこと。
入山届(にゅうざんとどけ)
登山をする際、管轄の警察署や地元市町村役場、山小屋などに提出する書類。登山者の多い山では登山口などに入山届用ポストが設置されているところもある。入山届には最低限、登山者全員の氏名、年齢、住所、電話番号、登山ルートなどを記入する。これを提出することで遭難時に捜査が容易となり、救出されやすくなる。登山計画書や登山届とも。
鋸尾根
鋸(ノコギリ)の刃のように幾つものアップダウンを繰り返す地形になっている尾根。そのまま尾根の名称(地名)になっている場合もある。
乗越(のっこし)
登山用語でいう峠のこと。尾根を越える道は、鞍部につけられることが多いので、乗越と鞍部(あんぶ)が同一の場所になることが多い。
は行
ハーケン
安全確保のために、岩の割れ目に打ち込む鉤状の金具。語源はドイツ語のHaken。
ハイキング
登山と厳密に区別できないが、比較的軽微な装備で、平地の景観や山の風景を楽しみながら歩くこと。
ハイドレーション
ザックに内蔵することで、ザックを背負ったままの状態で容易に水分補給が可能となる。
バスケット
トレッキングポールの先に装着する沈み込み防止用のパーツ。積雪路など、登山道の状況に応じて交換する。
ハッカ油
集って来る虫が多い時期に使う ”虫除け” の一つ。
バットレス
山頂や稜線を支えるかのように切り立っている急峻な岩壁のこと。語源は英語:Buttress。
花摘み
女性がしゃがんで用をたすこと。
バリエーションルート(variation route)
整備されていない登山道以外のルート。薮漕ぎ・岩登り・沢登りなどがあり、一般の登山道よりも難易度が高い。
張綱
ペグと共にテントを固定するのに重要な役割を果たすもので、自立式のテントはペグと張り綱で適切に地面に固定することで、最大の強度を発揮する。
飯盒
キャンプや登山で使われる調理器具の一種で主に米を炊くことに使われる。構造上、一種の圧力鍋としての機能を有しており、水の沸点が低下する高所でも、飯盒を使えば平地と同様に炊飯や煮炊きが出来る(鍋やコッフェルでは生煮えになり上手く炊けない)。また、平地では圧力鍋としても使用することができる。
バンド
岩壁を横断するように続く棚のこと。
岩棚(テラス)より狭く長いことが多い。
左俣(ひだりまた)
分岐する川を下流から上流側を見た際、左側に分かれる支流。
膝が笑う
長い急な下りで太股の筋肉が疲れ踏ん張りが効かなくなる状態。いわゆる「膝がガクガクする」こと。
ピーカン
朝から陽射しがさんさんと降り注ぐ快晴かそれに近い晴れの日で、絶好の登山日和のことです。これ以上はないような日にはドをつけて「ドピーカン」などという場合もある。
ピッピー
下痢のこと。腹ピッピー又は腹ピーなどと使う。疲労による胃腸障害や食あたりなどの他、カゼに併発したり、高山病の初期症状として現れることもある。
ピストン(piston)
山頂などを同一コースで往復すること。
ピッケル
杖の先が鋭利になっており、雪山など滑りやすい所などで氷雪面などに刺して歩行を補助するもの。アイゼンなどと併用する。語源はドイツ語のアイスピッケル(Eispickel)。アックスとも。
ピトン
ハーケンに同じ。語源はフランス語のpiton。
ビバーク
野宿、露営すること。語源はフランス語のbivouac。
ピロー
山行用としては、空気を出し入れすることで、携行性を向上させたものが便利。
ビレイデバイス
クライミング、沢登り、雪山などでクライマーのいざという時のフォール(落ちること)に備えるため、もう一人のパートナーがそれを確保するための道具。
標高
海面の延長であるジオイドからの距離。山頂には三角点が設置されている場合が多く、三角点より高い場所がある場合にはその標高点が山の高さとされる。
ファーストエイド
山道具としては、絆創膏、コットン、裁縫セットなど、基本的な救急用品を集めて小型のポーチなどにまとめたものを”ファーストエイドキット”と呼ぶ。
フェル足袋
地下足袋の靴底がフェルトの物。一般的に沢登りで使われ、小さな足場に足をかける場合に有利。
武器(ぶき)
登山用語でカトラリーのことを武器と呼ぶ。この由来は諸説あり、「登山時の食事は戦い」「ロシア語のビューケから」など。
ブッコシ
『簡易的な峠』という意味です。主に丹沢や道志などに多い山岳地形名称です。
沸点(ふってん) ※ 登山用語なので、ここでは水のみで考えることとする
水が沸騰する温度のこと。標高が高くなると気圧が低くなり、沸点が下がる。「気圧は10mで約1hPa下がる」、「沸点は1hPaごとに約0.027℃下がる」ということを利用すると沸点を簡単に計算できる。例えば北岳山頂(標高3193m)では(0.027×319.3=8.62… → 100-8.62=91.38)となり、約91℃で沸騰することになる。高山で米を炊いた時に芯が残ることがあるが、これは沸点が低いためである。
ブロッケン
山で太陽光を背に受けたとき、正面の霧や雲に映る自分の影の周りに光の輪が現れる大気光学現象。語源はドイツ語のbrocken。
分水嶺
雨水が異なる水系に分かれる山稜。
へつり
沢登りの技術のひとつ。釜や淵などを泳がずに通過する際、左右どちらかの壁をトラバース(横断)すること。
ヘッドライト、ヘッドランプ、ヘッデン
頭につける照明。両手をふさがずに明りを確保できる。洞窟内や雪渓の下、暗い森林を抜ける際などに使用される。ヘッデンの由来はヘッド(頭)につける電灯からといわれる。
ヘルメット
山岳エリアにおける活動用に設計されたヘルメットを山岳ヘルメットと呼ぶ。活動の妨げにならないよう、軽量に作られている。衝撃から頭部を守る安全装備であるため、基本的に保証の範囲が決められており、例えば自転車専用のヘルメットとは相互に保証の対象外となる場合がある。
ホイッスル
滑落などで遭難した場合に、他人に自分の位置を知らせるために使用する笛。山行用のファーストエイドキットに含まれている場合もある。
ポイズンリムーバー
ヘビに噛まれたり、蜂に刺された場合に、体外に毒を吸出するための道具。
ま行
マッターホルン
鋭く切り立ったヨーロッパアルプス山脈の名峰。この山にちなんで鋭い山を「○○のマッターホルン」と呼ぶことがある。特に北アルプスの槍ヶ岳は「日本のマッターホルン」とも呼ばれる。
右俣(みぎまた)
分岐する川を下流から上流側を見た際、右側に分かれる支流。
水場(みずば)
飲み水が得られる場所のこと。そのまま飲めるところもあるが、登山者や動物の屎尿により汚染されている所もあるので煮沸(沸騰させて殺菌すること)したほうが良い。
モルゲンロート(de:Morgenröte)
登山用語で、朝日により山肌や雲が赤く染まること、または朝焼けのこと。モルゲンはドイツ語で「朝」、ロートは「赤」の意。夕焼けの場合はアーベントロート(de:Abendrot、”Abend”は「夜」の意)と言う。
モンスター
樹木全体が氷や雪に覆われた樹氷が更に雪に覆われ大きく怪物(モンスター)のように見える様子。
や行
やせ尾根
両側が切れ落ちた道幅の狭い尾根道。
藪漕ぎ(やぶこぎ)
藪をかき分けて進むこと。
山ガール(やまガール)
2009年頃から流行し始めた、ファッショナブルなアウトドア用衣料を身に着けて山に登る若い女性のこと。
山小屋(やまごや)
山岳地にある宿泊・休憩・避難施設。山荘(さんそう)やロッジ、ヒュッテとも。登山者が行程中に宿泊するためにあるので、快適さはあまり重視されておらず、簡素な作りの所が多い。
雪山三種の神器
スコップ、プローブ(ゾンデ棒)、ビーコン(雪崩ビーコン)のことで、いずれも雪崩に巻き込まれたときの救助道具。
ら行
ラクー
落石のこと。山行中は知らず知らずのうちに石を落としていることがある。斜面を石が転がり落ちると、小さなものでも勢いがついて、下から登ってくる人に大怪我を負わせる危険がある。石が転がり落ちるのに気づいたら、近くにいる人は大声で数回、「ラクー、ラクー」または「ラクセキー、ラクセキー」と叫ぶ。
略奪点
沢などの流れが落ちる途中で尾根を越えた地点。他の沢に流れを「略奪」されたという表現である。谷川岳一ノ倉沢登攀後の下降ルートにある略奪点が有名。
ルーファイ
ルートファインディングの略。指導標のない分岐点や明瞭な登山道がない場所、また、ホワイトアウト等により登山道を見失った状況において、地図やコンパス、自身の知識経験を頼りに進むべきルートを探ること。
ルンゼ
水の浸食作用でできた急で険しい岩壁の溝。語源はドイツ語:Runse。
廊下(ろうか)
両岸を急な岩壁に挟まれた細い谷のこと。ゴルジュとほぼ同義だが、ゴルジュよりも幅が広くて長い谷を言うことが多い。
レイヤリング
山行において、体温調節のために防寒具やレインスーツなどを含むウェア(山服)を組み合わせて、体感温度や運動強度に適した服装にすること。
レトルト
気密性及び遮光性を有する容器で密封し、加圧加熱殺菌した食品のこと。もとは、軍用携帯食として開発されたのが始まりであるが、保存性と簡便性に優れており、アルファ米との組み合わせで、山ごはんの強い味方となっている。
わ行
ワカン
雪面を歩く際に装着する日本の歩行具。日本では、古くからかんじきが雪上歩行に使われている。登山では、フレームが木製ではなくアルミニウム製のパイプ製の物が用いられる。
ワンダーフォーゲル
略称はワンゲル。ドイツで始まった、率先して野外活動を行おうとする運動。日本の大学や高校では、第2山岳部的なクラブ・サークル活動が行われている。