こんにちは、ロストマン(@the_lost_man77)です。
今回は世界遺産に登録されている知床半島に行って日本百名山の羅臼岳に登ってきました。
ここは世界で最もヒグマが密集している地域なので遭遇する確率がかなり高いです。というか実際に出会ってしまいました。
それでも山頂から見えるオホーツク海はもちろん、北方領土や知床半島の山並みを見渡せる景色は壮大で美しいので登っていて達成感のある山でした。
時期:2019年6月26日 晴れ
場所:北海道斜里郡斜里町湯ノ沢町
登山スタイル:日帰りピストン
パーティ:4人
登山タイム:8時間10分
登山コース:岩尾別温泉コース
羅臼岳とは
羅臼岳(らうすだけ)は、北海道・知床半島にある火山群の主峰及び最高峰で標高1,661m。古くはアイヌ語でチャチャヌプリ、また良牛岳と記されたこともある。1964年(昭和39年)6月1日に知床国立公園に指定され、2005年7月にこの山域を含む知床半島が知床 (世界遺産)に正式登録された。日本百名山、花の百名山及び新・花の百名山に選定されている山である。
出典:ウィキペディア(Wikipedia)
羅臼岳の登山コース
岩尾別温泉コース
岩尾別温泉から山頂を目指すコースで登山道が整備されており、トイレブースもあります。危険個所も少なく、日帰りできる初心者向けのコースです。
岩尾別温泉(110分)→弥三吉水(60分)→銀冷水(65分)→羅臼平(60分)→羅臼岳(45分)→羅臼平(50分)→銀冷水(40分)→弥三吉水(70分)→岩尾別温泉
羅臼温泉コース
知床国立公園羅臼温泉野営場から山頂を目指すコースです。登山道は草木に覆われており急な傾斜や危険な岩場が多く、コースの距離が長いので中~上級者向けになっています。また道中トイレがありません。
登山口(60分)→里見台(50分)→第一の壁(70分)→泊場(60分)→屏風岩(80分)→羅臼平(25分)→標識(35分)→羅臼岳(25分)→標識(20分)→羅臼平(50分)→屏風岩(45分)→泊場(60分)→第一の壁(30分)→里見台(40分)→登山口
YAMAPから登山コースの地図をアプリにインストールしておきましょう。

前日は知床国立公園羅臼温泉野営場でキャンプ。
なんと2年前に日本一周していた時にここで一緒に食事をした関東在住の旅行好きのご夫婦と運命的な再開をしました。
しかし、一緒に登山するパーティがウトロの国設知床野営場に宿泊予定だったのでそちらに移動することになり、積もる話をあったのですが止む無くお別れ。

因みにユネスコの世界自然遺産に選ばれているくらいなので、キャンプ場に普通に鹿が出ます。
本州の鹿より一回り大きいですよ。
登山開始

AM3:44 次の日は車で今回登る岩尾別温泉コースの登山口がある岩尾別温泉まで来ました。
施設のその脇道を通ると木下小屋があり、ここから羅臼岳山頂目指して出発します。
ヒグマは怖いですがパーティが四人なので「何かあっても心強く安心して登ることができる」そう思っていたのですが…。

AM4:54 弥三吉水に到着です。
貴重な給水ポイントですが北海道の生水はエキノコックスがいるので注意しましょう。
ここまではひたすら急登な森の中を歩いてきましたが、4人パーティの中に消防士の方がいましてペースが鬼のように早いので僕達3人はついて行くのがやっと。

ウコンウツギ

AM5:12 4人それぞれのペースが全く合わず、いつの間にか各々で山頂を目指すことになってしまいました。
草木が生い茂り、人間の鼻でも分かるくらい獣臭さが時折してくるので、いつ熊が出てくるかビクビクしながら進んでいます。

AM5:26 仙人坂に到着。
山頂まで残り3kmまでといったところです。

標高はそこまで高くはないですが、北海道の端っこに位置する知床では夏でも残雪があります。

AM5:42 銀冷水に到着。
ここも給水できるポイントで、めっちゃ水が綺麗です。

給水ポイントにトイレブースが設置してあるので休憩には最適な場所です。

先を進んで行くとピンクテープを見失い、残雪がある場所に足跡があったので進んでみましたが、行き止まり。
来た道を引き返してピンクテープを発見。道迷いには要注意ですね。

AM6:00 大沢入口に到着。残り2km、頂上まで半分切りました。

エゾコザクラ

大きい岩を手でつかみながらよじ登っていきます。

エゾノツガザクラ

チングルマ

後ろを振り向くとオホーツク海の絶景が広がっています。

岩場を登っている最中、またまた強烈な獣臭がしてくるので休憩せずにとっとと登ります。

AM6:51 羅臼平に到着。
周りがハイマツに囲まれた見晴らしの良い場所にでます。

ここはテント場として利用することもでき、食料を入れるフードロッカーがあります。

ここでテン泊する場合はフードロッカーに入れないとヒグマが食料の臭いでテントを襲ってくるので必ず入れましょう。
というか世界有数の熊密集地でテントを張る人がいるというのが凄いですね。
肝試し過ぎる。

ここまで来れば羅臼岳は山頂は目の前です。
山頂付近は岩がゴロゴロと積み重なっているんですね。

キバナシャクナゲ

AM6:53 岩清水に到着。
岩から水がポタポタ落ちている程度で頑張れば給水できそうな感じです。

山頂付近には残雪量が多い場所もあり、傾斜もあるので今まで以上に気を付けて登ります。

普通の登山靴なので一歩一歩足場を作りながらゆっくりと慎重に。

最後は積みあがった大きな安山岩を登っていくことになります。
岩のペイントが分かりづらくて何回か道迷いしてしまいましたが、何とかルートを見つけ出すことができました。
そして先行していた消防士の方がもう羅臼岳の山頂に行って戻ってきて、これから日帰りで知床連山縦走しに行くようで、本物の体力お化けだな~と思いながら見送ります。
羅臼岳山頂

AM7:49 羅臼岳山頂に到着。
知床半島を上から一望するとその壮大さと美しさに目を奪われます。
ただ風がものすごく強く、そして寒いので15分程しかいられず。
体力お化けの方が挑戦する知床連山縦走はあの奥に見える山々の遥か彼方まで登っていくのですけど、これも見たらとてもじゃないけど今の自分では体力的にも精神的にも無理だと感じました。

ラッキーなことに北方領土が見えました。

ここが世界遺産に選ばれるのも納得の景色です。

ミネズオウ

この世界自然遺産の景色をまだまだ見ていたいのだけれども、割と体力を消耗していたので名残惜しいですが下山。
その途中、ハイマツの隙間からシマリスをこの目で見ることができました。
ちょろちょろと動き回るので、見れたのはほんの一瞬でしたが感動してテンションも上がりまくり。

羅臼平と大沢入口の間の岩だらけの急登を下っていた時についにヒグマに出会ってしまいました。
幸い登山道とは反対側の崖で草を食べていたので少し様子を見ていたらこちらに気づいて逃げて行ってくれました。
気分はもう下山モードで「帰る」しか頭になかったので、まさか野生の熊が見れるとは思いもしませんでしたね。
遠目ならヒグマはそれ程恐い感じがしないです。あくまで遠目ならなので。

木に木が飲み込まれている面白いものも見れました。
何とか足がふらふらになりながらも12時前には下山できました。
この後消防士の方は無事に日帰り知床連山縦走を成功させて15時半過ぎに下山してきました。滅茶苦茶な人だけど実力があるからやっぱり凄いな~と思います。
この後AM11:54に無事下山できました。下山完了の写真はうっかり忘れてしまいました。
注意点
- 世界有数のヒグマ密集地なので遭遇率が高いので熊鈴や熊スプレーを携帯しましょう。
- 山頂付近は巨大な安山岩を登っていくことになり、大きな隙間が沢山あるので足を踏み外さないようにしましょう。
- テント泊する際には食べ物は絶対にフードロッカーに入れましょう。
- ヒグマに餌を絶対にやってはいけません。人を恐れなくなり、襲うようになります。
- 夏場でも残雪があるのでアイゼンがあるといいでしょう。
登山口周辺の施設
[木下小屋]
・ 素泊り 2,500円 (炊事用具、寝具持参)
・入浴料 300円(露天風呂のみ、宿泊者は24時間入浴可 )
・ 午前10:00~午後6:00(6月~9月のみの営業)
・山バッジ 500円(2種類)
・木下小屋オリジナル・ポスター 500円
・木下小屋オリジナル・バンダナ 1500円
・熊スプレー 1000円/日
[岩尾別温泉]
・ご宿泊 15:00~翌朝8:30(清掃8:30~11:00)
・日帰り 11:00~18:30(最終受付18:00)
・駐車場 30台(無料)
・入浴料 大人800円
・期間 4月下旬~11月上旬
[国設知床野営場]
・チェックイン/アウト 11:00~翌11:00
・営業日 6月上旬~9月30日
・料金 1泊 フリーサイト大人1名400円
・ 炊事場、トイレ(バイオタイプ)×3箇所 ケビン/4名用(コンセント無し)×5棟・2名用(コンセントあり)×2棟(要予約:1棟3,200円)
・駐車場40台
[ 知床国立公園羅臼温泉野営場]
・営業期間 6月中旬~10月中旬
・ 営業時間 9:00 – 12:00 15:00 – 18:00(管理人在中)
・料金 1泊300円
・設備 テントサイト、炊事棟3、トイレ2 ※オートキャンプは不可、バンガローはありません。
・駐車場 53台(無料)
・歩いて1分の所に無料の温泉「熊の湯」あり
[熊の湯]
・入浴料 無料
・営業時間 24時間/朝に清掃時間あり
・ 駐車場 あり/無料
[ カムイワッカの湯 ]
・利用期間 毎年6月初旬〜11月初旬頃まで
・駐車場 20台
・ 仮設トイレ3基
・ 時期により車両規制等があります。 最新情報を見る
[ 知床自然センター]
・ 夏期営業(4月20日~10月20日) 8:00~17:30
・ 冬期営業(10月21日~4月19日) 9:00~16:00
・駐車場 120台(無料)
[知床五湖フィールドハウス]
・ 営業期間 4月下旬〜11/8
・営業時間 8:00〜17:00 (10/21以降8:30 〜16:30)
・駐車料金 車/500円 バイク/200円
[知床世界遺産センター]
・営業時間 夏期(8:30~17:30)冬期(9:00~16:30)
・営業期間 夏期(4月20日~10月20日)無休 冬期(10月21日~4月19日)火曜日
[道の駅 うとろ・シリエトク]
・ 開館時間 8:30~18:30(5月~10月)、9:00~17:00(11月~4月)
・ 売店 8:30~18:00(5月~10月)、9:00~17:00(11月~4月)
・ レストラン 10:00~15:00
[道の駅 知床・らうす]
・開館時間 9:00~17:00(5月~10月)、10:00~16:00(11月~4月)
・ 売店① 8:00~18:00(5月~10月)、8:30~16:00(11月~4月)、売店② 9:00~18:00
・レストラン① 8:00~15:00(5月~10月)、9:00~15:00(1階・パーラー)、10:00~15:00(11月~4月)、9:00~15:00(1階・パーラー)レストラン② 11:00~21:00(5月~10月)、7:00~19:00(2階)
[コンビニ]
・セイコーマート 富士見店 6:00~1:00
・セイコーマート ウトロ店 6:00~0:00
・セブン-イレブン 斜里ウトロ店 24時間営業
登山時期

アクセス
岩尾別温泉コース
- 知床斜里駅=斜里バスターミナル━(バス:斜里バス)━ウトロ温泉バスターミナル━(タクシー)━岩尾別温泉
- 知床斜里駅=斜里バスターミナル━(バス:斜里バス)━ウトロ温泉バスターミナル━(バス:斜里バス)━岩尾別━(徒歩)━岩尾別温泉
※「岩尾別」バス停から岩尾別温泉まで約3.5km
羅臼温泉コース
- 釧路駅━(バス:阿寒バス)━中標津バスターミナル━(バス:阿寒バス)━羅臼━(バス:阿寒バス or 斜里バス)━羅臼温泉
- 釧路駅━(バス:阿寒バス)━中標津バスターミナル━(バス:阿寒バス)━羅臼━(徒歩 or タクシー)━羅臼温泉
※「羅臼」バス停から羅臼温泉まで、約2.5km
最後に
世界遺産の知床は広大な自然とそこに住む動物達を実際に登山することで自分の目や耳、臭いや肌でその素晴らしさを感じることができました。
ヒグマには合わないに越したことはないが一度見ておいた方が今後ばったり出会ってしまった時に冷静な行動ができると思います。
コメント